TOP>シグルイwiki>虎眼流の技法
初代当主である岩本虎眼が修行中に用いていた(我流の?)兵法などを前身としたものであるらしい。真剣はたやすく折れるという理由により「刀が折れないよう剣を極力打ち合わせない」、「無駄に斬り込まず、最小の斬撃で倒す」など実践的な剣法と、当身技を多用する柔術など、独特な技法が含まれている。創始者の虎眼が多指症であった為か、主要な技法には強力な握力や指の力を精密に操る事が求められる。基本的には本差を用いる剣術であるが、場合によっては脇差や二刀流での戦闘も行う。総合的に見ると、新たな技の開発や、個人の創意工夫が認められているなど、自由度が高い武術である。以下に主な技法を挙げる。虎拳(こけん) 手首を用いた当身技。一撃で人体を変形させるほどの破壊力を持ち、一般人の動体視力では捉えることもできないほどの速度を誇る。空手で主に払い技として使用されている「孤拳」と類似しているが、山崎がこの技で浪人を二人撲殺しており、藤木は木槍を一撃でへし折るなど明らかに攻撃用である。 劇中には何度も登場していることから、虎眼流では基本技のようである。 ; 虎拳の星流れ(仮称) 藤木が虎眼のヒントにより星流れの原理を習得した際、自ら編み出したと思われるもの。星流れの原理を応用し、拳をもう片方の掌で抑えて力を溜め、その反動で虎拳を高速で放つ。威力が数段増しており、命中した浪人の下顎を完全に削り飛ばした。土雷(つちらい) 踏み込みと全身の「反り」を用いて、相手の脾腹に拳をめり込ませるというマウントポジションを取られた際の対抗技。流れ(ながれ) 中目録以上にのみ伝授される秘伝の技。刀を片手で背後に担ぎ、そこから相手に向かって刀を横に薙ぐ技であるが、刀を振ると同時に、手を刀の鍔元から柄尻まで横滑りさせる事で「人体は三寸斬り込めば致命傷になりうる」という虎眼流の理を元に、相手に間合いを誤認させ、切先による最少の斬撃で相手を倒す事を旨としている。 牛股は刺客に襲われた際、三人に軌道を変えながら斬り込み、藤木は前方に跳躍しながら流れを放つなど、原理が単純であるがゆえ様々な応用がきくと思われる。ただしこの技は強靭な握力および精妙な握力のコントロールが必要なため、失敗すると三重のように刀が飛んでいく。流れ星(星流れ) 虎眼が生み出した必殺剣。免許皆伝を与えられた者のみが使う事を許されており、その域に達しない者は、技を見てはならないという掟がある。開眼の地である秋葉山昆嶽神社は虎眼流にとって聖地とされる。 要点は、右手の人差し指と中指の間で剣の柄を挟み、左手の指で刀身を掴んで力を溜めてから放すことにより、爆発的な速度を持つ斬撃を放つ事が出来る(更に流れの要領で柄を指の間で滑らせ、間合いを伸ばす)。これに加え、刀を放つ際に身体を回転させることで、周囲の物を一刀両断とする。 虎眼が主君の前でこの技を披露した時、6人の囚人の首を一度に撥ね、内の2人の首は胴の上に乗ったままだったという。 藤木、牛股、伊良子らもこの「星流れ」を使うが、虎眼は左手をやや持ち上げ手前に引くように構え、人差し指と中指で刀身を挟むのに対し、伊良子は刀を胸の前で地面と水平になるように構え、牛股は同じく刀を水平にするが、刀身を固定する左手を蟷螂拳のように、人差し指から小指を揃えた状態で親指と人差し指で摘む様に挟む。藤木は親指で物を弾くような手の形(コイントスでコインを弾く時に似ている)で、親指と握った拳全体で刃を挟む。左手の刀身を挟む形や刀の傾きは様々であり、微妙に違っている。 「流れ」と同じく、絶妙な握力の調節が必須であり、牛股など大力に優れた者が渾身の力で行えば刀の目釘を折り、柄が刀身から外れてしまう危険も存在する。 作中、技の名称が「流れ星」と「星流れ」の二つで呼ばれるが、どのような基準で区別されているかについて作中では言及はされていない。原作では虎眼流の奥義は「流れ星」となっているが「秘剣流れ星」において、主人公の使う技は「星流れ」という名称が用いられている。 原作の「流れ星」は「対手の首を狙い、流星の如き神速で横薙ぎの一閃を放つ、一太刀が必殺の秘剣」とされ、細かい描写はされていない。山口版は、これをもとに大幅なアレンジを加えている。(ちなみに原作では藤木は片腕の状態でも流れ星を使用している。) ; 流れ星の骨子の掴み(仮称) 人差し指と中指の二指で刀の柄を挟むように握る、星流れに用いられる掴み。濃尾三天狗や二輪で使用されていたことから、元々虎眼流に存在する技法のようである。藤木が偶然編み出し、他の門弟にも見せたことから、高弟の間で使われるようになる。脇差の小刀で抜刀と同時に高速の斬撃を繰り出す方法が、高弟の間では用いられたが、二輪で用いられたものや濃尾三天狗の見せた構え、藤木が友六に襲われる直前に見せた抜き打ちでは、打刀の大刀を使っている。虎眼はこの掴みで二刀流の構えを見せた。飛猿横流れ(ひえんよこながれ) 逆回転によって、後回しに流れを放つ技。正面より上半身のみを捻る通常の流れとは異なり、全身の回転を利用し、更には踏み込みを加える為、流れの攻撃範囲を遙かに凌駕する。 原作の「無明逆流れ」では藤木が独自に編み出した技として登場する。原作では「流れ星」に改良を加えた技であり、対手の左肩にぶつかるように接近し、飛びこみざまに横薙ぎに払う。紐鏡(ひもかがみ) 紐(ひも)は氷面(ひも)の意。磨きぬいた刀身に敵を映し出して、相手の動向を探る技法。半身を捻り、敵からの視線を背けた構えを取ることから、「飛猿横流れ」への伏線技と思われる。二輪(ふたわ) 虎眼流の秘太刀の型(定められた攻防の手順)を二名で行う。元々は訓練のために用いられるものだが、真剣を用いて超高速で行った場合、致死率は実戦よりも高いとされる。そのため真剣で二輪を行う者は、斬死に備えるために下剤入りの葛湯を飲んで大便を完全に排泄し、内臓の臭気を消すという清めを行う。 なお、作者は2人のオートレース選手が、前後に2台連なって走る練習法(これも2人の呼吸がずれると重大事故に繋がる非常に危険なものである)から着想を得たと発言しており、名もバイク(二輪車)から採ったと推測できる。練り(ねり) 鍛錬法の一つ。巨大な木剣「かじき」を使用し、素振り一挙動を小半刻(約30分)かけて行う。力んだ際に奥歯が粉砕するのを防ぐため、手拭を口にくわえて行う。水鎧(みずよろい) 水練の一つだが、重い甲冑を着込んだ状態で海中に水没し、沈み切ってしまう前に甲冑を外して浮上するという危険なもの。どのような危機的な状況であっても冷静さを保つ為の訓練である。素早く浮上出来なければ命に関わるが、虎眼流から見ると、比較的安全な部類に入る訓練だという。鉢巻切(はちまきぎり) 相手の頭に巻かれた鉢巻を、木剣で切断する演武の一種。牛股の得意技であったが、入門して一年程度の伊良子が使いこなした。涎小豆(よだれあずき) 虎眼流の入門儀式。?豆(ササゲ)の甘露煮に水飴を絡めたものを入門希望者の額に一粒貼り付け、当主である岩本虎眼がそれを抜き打ちで十文字に寸断するというもの。この際、同席者は刀の刃で指を切って出た血を同様に自らの額に付ける。抜き打ちが成功した後は、同席者全員で「お美事(おみごと。見ではなく美の字を使う)にございまする」と斉唱するのが習わしである。ただし、この異口同音の台詞については、がま剣法編において兜投げの際に千加も同様の台詞を言っているので、山口貴由流の表現方法である可能性もある。清玄は漫画版では米粒を用いてこれを成功させている。徳利開け(とっくりあけ)(仮称) 藤木が流れ星の技術を会得するために至るきっかけになった鍛錬。星流れの原理を利用した虎拳を用いて徳利にほぼ円形の穴を空ける。鍔迫り(つばぜり) 自らの刀を相手の刀とぶつけ合わせ、そのまま力押しによって相手を押し倒し屈服させる技。藤木の得意技であり、彼の場合、相手を押し倒した上、首を木刀で締め上げる事で、自分からは降参を宣言出来ない様にするという恐ろしい技となっている。片手念仏鎬受け(かたてねんぶつ しのぎうけ) 鎬(しのぎ=刀身と峰の間に有る小高い部分)に掌底を添えて相手の斬撃を受ける。技というよりは、剣術の基本的な防御技術の一つ。茎受け(なかごうけ) 刀身の下部(柄)を、相手の攻撃に合わせる防御技術。本来は稽古で突きを払うのに用いる技法であるが、藤木は星流れへの対処法を思案した末、斬撃に対して柄頭を水平に合わせて受けることを編み出した。 虎眼は夕雲のレイピアを柄に当てさせて剣を止めたが、これも茎受けに含まれるかは不明。晦し(くらまし) 刀を両手持ちで上段に構え、刀から片手のみを放し、放した方の腕を先に振り下ろす一種のフェイント技。振り下ろす手に殺気をのせることで、相手は本当に斬られたような感覚に一瞬襲われる。相手への威嚇や挑発にも用いられる事がある。前述の「二輪」の一の型でもある。 藤木はさらに技を発展させることにより、剣自体を自らの分身と錯覚させることに成功した。簾牙(すだれきば) 藤木源之助と牛股権左衛門が、対 伊良子清玄戦に向けて開発した構え。 清玄の「無明逆流れ」対策として考案された構えであり、藤木と牛股らの世代が考案し流派に付け加えた新しい技術である。 右手に星流れの構え、左手に逆手で脇差を構えたその体勢を、簾(すだれ)状に並ぶ牙に見立てた命名と推測される。 伊良子に対して藤木と牛股がそれぞれこの構えを用いたが、脇差しで受け太刀をした藤木は予想を上回る無明逆流れの剣を受けきることが出来ず左腕を切断され、かじきで土砂を弾いて浴びせ逆流れをはね上げようとした牛股は怯まずに逆流れを決行した伊良子の軌道を読み切れず敗れた。さらにはどちらも致命傷となる攻撃を当てられなかった事を考えれば、逆流れ対策としては十分で無かったといえる。
概要|
原作について|
あらすじ|
登場人物|
虎眼流関係者|
舟木道場関係者|
検校屋敷関係者|
その他の人物|
虎眼流の技法|
その他|
テレビアニメ|
キャスト|
スタッフ|
各話リスト|
関連項目|
脚注|
外部リンク|
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